こんにちは、心理学ライターのshinです。
今回は久しぶりに本の要約をしてみようかなと思います。
今回紹介する本はメディア・アーティストの落合陽一さんが書かれた「これからの未来をつくる仲間たちへ 働き方 5.0」という本です。
この本は2016年に出版された「これからの世界をつくる仲間たちへ」という本アップデートされた新書版です。
コロナウイルスについても触れられていて、まさにアップデートにふさわしい感じがしました。めちゃくちゃ面白いです。
特にこの本のいいところとしては、各章ごとに参考文献も載せてあってエビデンスベースドなのにも関わらず、とても読みやすく書かれていることです。
そんな本書から個人的に面白いと思った3つのポイントを僕の解釈も含めながら紹介したいと思います。
1.英語とプログラミングではなく言語力を鍛えるべき
最近よく言われることがこれから必要なのは英語能力やプログラミングの能力が必要だ、みたいなことですが、落合さんはこれをバッサリ否定しています。
というのもこれからは翻訳機能などのテクノロジーが大きく向上していく世界の中では英語を学ぶよりも、別のスキルの方が大切になってくるのは間違いないからです。
プログラミングも同じく、ただプログラミングができるというのには価値が生まれにくいわけです。プログラミングの能力はあくまでツールでしかなく、それよりも重要なのは「それで何をするか」というわけです。
落合さんがこの2つよりも重要視しているのが本当の意味での「言語化能力」です。この言語化の能力とは英語ができるといったことではなく、物事を解釈したり説明したりする能力のことです。
つまるところ、どれだけ英語が綺麗に話せたところで相手に聞く価値がないと思われてしまえば、英語能力はだだの飾りのようになってしまうのです。
要するに、ロジカルな思考を持ってそれを言語化する能力こそが、たとえ英語が拙くても相手に聞く価値があると思ってもらえるわけです。
2. 人間がシステムに勝てるもの、、それは「モチベーション」
インターネットやその他のテクノロジーは僕たちの生活を大きく変えてしまいました。大抵の答えはグーグルが答えを知っています。人脈をとってもインターネットには敵いません。
ではコンピュータによって作られたシステムになくて、私たちにあるものは?
ここで特に年齢が高い人が言いそうな答えが「ガッツ」や「根性」といったものですが、これは大きな間違いであると落合さんは指摘しています。
どれだけ根性があったところで、人は24時間ずっと工場で働き続けられない一方で、システムや機械はそういった単純作業を淡々とこなすことができるからです。
では本当に私たちの強みになるものとは、、その答えがモチベションなわけです。機械やシステム、コンピュータは何かをしたいという強烈な動機を持っていないわけです。
このとても不合理ながら、いかにも人間らしいモチベションこそが私たちがシステムに使われる側から使う側へいることを可能にすると説明してくれています。
つまり、これからを生きる私たちが持たなくてはいけないものは、このなにかを偏愛する能力なのです。
この「モチベーション」というキーワードが3つ目の専門性の話へと繋がっていきます。
3,専門性こそが価値を産む世界に
これまでの労働者はホワイトカラーとブルーカラーの大きく2つに分けられ、基本的にはホワイトカラーの方が優秀だと考えられてきました。
しかし、このようなホワイトカラーはシステムの無限の処理能力によって存在価値を失いつつあり、将来的には完全になくなるかもしれません。
では私たちはどこを目指せばいいのか?
それの答えが、誰にも真似されないような専門性を持つことです。本書では「クリエイティヴ・クラス」という言葉を使って説明されています。
この「専門性を持つ」ということこそがこの本の一貫した主張であり、著者である落合さんが最も伝えたいことなのだと思います。
この「専門性」への追求はシステムにはできないことなのです。なぜか?それはシステムが「モチベーション」を持っていないからです。
さらにこの専門性について掘り下げると、専門性の中でも大切なのが「暗黙知」です。この「暗黙知」とは他の人がシェアできないような知識のことを指します。
例えば、私たちが何気無く使っているSiriの音声機能ですが、よく考えてみればどのような仕組みで可能になったのかはおそらくアップルの技術者ぐらいしか知らないでしょう。つまり、その作り方は彼らにしかわからないまさに「暗黙知」なわけです。
調べれは専門知識や情報が手に入る世の中において、誰にもコピーされない暗黙知の専門知識こそ大きな価値を生み出せるってことです。
まとめ
まとめると、若い世代が将来的にシステムに取って代わられないような人間になるには何かしらの強烈な「モチベーション」を元に自分の中での専門性をためていくべきであるということです。
この本を読んでみてやっぱり、人と同じことをするリスクは高まってきているなって感じはしますね。
今までは人と同じことをしていても、それなりの仕事があって、それなりに給料が貰えるという社会体系でした。
しかし、私たちが今迎えているのはテクノロジーがたくさんの雇用を奪うかもしれない、そしてその可能性が限りなく高いことです。
そういったことを考えたときに専門性は今まで以上の価値を持つ可能性があるなって感じます。
この本では今回取り上げた部分以外にも、これからどのような世界が待っているのかがわかりやすく書かれているのでぜひ一読することをオススメします。
本の要約シリーズは今後も定期的に取り入れていきたいと思うので、是非お楽しみに〜。
今回紹介した「働き方5.0」はこちら
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